静かな涙【完】
温もり
『………真弓?』





名前を呼ばれて思わず振り返る…





そこには、緑色の傘を差した浩司が驚いた様に立っていた…。





『……あっ…。』





言葉が出ない…





思わず浩司の姿を見た途端、私は走り出してしまった…。





「まっ…真弓…!」






「オイッ!真弓!!待てってば!」





ふいにグイッと腕を捕まれた…





「どうして逃げるんだよ…」





『………。』






「…何かあったの?」






浩司は私の腕を掴んだまま、離さない…。
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