静かな涙【完】
もう一度…
どのくらい時間が経ったのだろう…




あれだけ激しく降った雨も、ほんの少し止んでいる…




「ねぇ…真弓…」




浩司が私の髪を撫でながら、微笑む。





『…何?』






「ツーリング行こう」





そう言って私の手を握る。





再び懐かしい匂いのする、浩司の家の前まで着いた。





浩司は、シャッターをガラガラと開け、一台の古ぼけたバイクを指差した。






「なっ?行こう!」
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