静かな涙【完】
『真弓、これ見て見て~』



お姉ちゃんが満面の笑みで私を手招きする…。



机の上には、沢山のパンフレットと小さな箱が置いてあった。



『ん…?何?お姉ちゃん…』



私はそういいながら近づく。




お姉ちゃんは、小さな箱を手にとり、




『ジャーン!なんと浩ちゃんから婚約指輪もらっちゃった!』



そう言って、左手の薬指を見せた。




小さな細い指に、プラチナのリングがきらびやかに光る…




「安物だけどな…」




浩司さんが横から、照れ臭そうに呟いた。




『すんご~い!素敵!お姉ちゃん』




私もそれに答え、笑みを返す…



ちゃんと…



笑えてるかな…
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