静かな涙【完】
『おはよう』
と言いながら私はリビングへ。
『もう、お昼過ぎてるよ~冬休みだからって~・・』
お姉ちゃんがケーキに盛り付けしながら私に微笑みかける。
『今日は、夜早く帰ってらっしゃいね。皆でクリスマスパーティーをするから』
お母さんが、パタパタと忙しそうに言う。
『あっ、ごめーん!今日は先約があってね。夜はそんなに早く帰ってこれないよ』
私は、揚げたてのから揚げを頬張りながら言った。
『まさか、宮崎君とデート?』
お姉ちゃんが、ちょっと意地悪そうに微笑む。
『まあね。』
『あら~!真弓に彼氏が居たなんて。お母さん知らなかったわぁ~。是非連れてらっしゃいよ。』
『うん・・。』
私は、バックを持ちマフラーを巻き、『行ってきます』と呟いた。
『『行ってらっしゃい』』
いい香りと楽しげな二人の声を背中で聞きながら家を出た。