静かな涙【完】



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『今日ね、浩ちゃんが迎えに来てくれるまでに、
浩ちゃんのお義母さんからこんな物が届いたの』




今日は、リハビリが終わった後に真紀子さんと喫茶店へ立ち寄った。




真紀子さんが、嬉しそうにそんな事を言いながら、
鞄から細長いケースを出してきた…




『ほら、見て~この真珠のネックレス。手紙が入っててね、村田家、代々から伝わっているネックレスで、私で四代目なんですって~。
浩ちゃんのお義母さんも結婚式の時これ着けたらしいの~』




そう言って、真紀子さんは自分の首にネックレスを着けた…。




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『わぁ!素敵っ。』




『でしょ。私もね、この家に嫁いだ時にお義母さんから頂いたのよ。
次は真弓ちゃんの番かしら?』




『だといいなぁ~』




真弓と母さんのやり取りを微笑ましく見ていた。




「豚に真珠だな……」




『浩司!!ひどい~!』



真弓が新聞紙を丸めて叩いてきた…





「うそうそ。ごめん!ごめんってばー」
手で頭をかばいながら謝る…。




そんな、懐かしい思い出が頭を過ぎる…



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