静かな涙【完】
『どぅ?似合う?』

真紀子さんの言葉でハッと我に返る。


「あぁ、よく似合ってるよ。」


真紀子さんは、目を細め嬉しそうに微笑んでいた。



俺には、素直に喜べない複雑な感情が入り乱れる・・



最低だ・・



俺は最低だ・・


頭に浮かんだ真弓の笑顔が真紀子さんの笑顔と複雑に絡み合う。


そして、その真珠の輝きは、真弓の涙色にも見えるのだ。




そして「それ」は「君に」付けて欲しかったと俺に訴えて来るのだ・・。

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