静かな涙【完】
今日は最後の高校生活にピリオドを打つ日。


式は慌ただしくでも着々と進んで行く。



沢山の啜り泣きが聞こえたけれど、私は泣かなかった。



きっと、浩司の卒業式の時の方が沢山泣いたと思う・・



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卒業式が終わり、水泳部に顔を出した。



『先輩おめでとうございます』

『また遊びに来て下さいね』



後輩達と言葉を交わし、思い出のプールサイドを見つめる。



ここが始まりの場所。
ここで出会い愛を深めて行った。






恥ずかしそうにタオルを渡す私がまだそこに居る・・




『真弓』




ふと名前を呼ばれて振り返る。





「今の見ててくれた?俺、真弓の為に県大会で優勝するから」



浩司がそう言って微笑んだ・・

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