静かな涙【完】
『お母さん、お父さん、浩ちゃんも、もう時間ないよ、行こう』
そう言って私は無理やり浩ちゃんの手を引っ張った。
「ああ、‥」と言って浩ちゃんは立ち上がる。
『真弓‥元気でね。向こうに行っても頑張るのよ。』
と真弓に言う。
真弓はコクリと頷いた…。
『真弓、向こう着いたら電話するのよ、必ずね。』
お母さんが真弓の肩を叩く。
そして私たち4人は搭乗口へ向った。
真弓独りを残して…
あのボートに乗った時と同じように‥
真弓は、悲しげな笑顔で手を振っていた‥