静かな涙【完】
扉が閉まりきるまで私は、見つめていた‥
最後の最後まで‥
涙が止まらなかった…
だって、本当に愛していたんだもん‥
真弓より愛していたって言い切れる自信があるくらい
愛していたんだもん…
『真紀子…』
お父さんとお母さんが私の頭を撫でてくれた…
『お…おかあ‥さん…』
『…真紀子‥よく‥やったわ‥さすが、私の子ね』
「ようやった、頑張ったな、真紀子」
お父さんがハンカチを握りしめ、私の肩を抱いてくれた‥
私は年甲斐にもなく、泣き崩れた‥
悲しくて悲しくて心が張り裂けそうで‥
でも…
でも…
どこか
心の底がホッとした…
『さあ、行きましょう。せっかくだし、
3人で旅行でも楽しみましょ。』
お母さんの言葉に頷いた…。
さよなら‥
浩ちゃん‥
と心の中で呟いて‥