静かな涙【完】
最終章
---3年後
あの日の翌日私は1人でアメリカに飛び立った。
私は、浩司への思いは日本に置いてきた。
思い出と共に…
あの日、浩司がお姉ちゃんと一緒に行かなかったって
聞いたのは随分後になってから聞いた。
お姉ちゃんと一緒に行かなかったのも、
私を止めに来なかったのも
浩司らしいと思った‥。
そして、3年という月日が、
私の辛い思い出も連れ去って行ってくれた。
お姉ちゃんには新しい恋人が出来た。
病院の先生らしく、結婚も考えているそうだ。
【たまにはこっちにも帰って来なさいよ!今度ちゃんと恋人紹介するから。
中原隆さんていうのよ。イケメンでしょ?それに私の担当の主治医なのよ。
今度、結婚式すっぽかしたら姉妹の縁切るからね!!わかったらちゃんと
顔を出すのよ!】
お姉ちゃんと新しい恋人の写真を見て笑顔になる。
お姉ちゃんらしいな‥
と私はクスクスと笑った。