静かな涙【完】
何かが燃えてくすぶっていた…



そして…



その何かは、すぐに気付いた…




見覚えのある…




ヘルメット…



真っ黒に焼けた写真…



真弓…




俺は、真っ黒になった灰を握りしめた…





それを見た途端、胸が張り裂けそうになった…




なぁ…



真弓…




思い出まで消し去ってしまうのか…?





俺は…


やりきれない気持ちを胸にしまい込む…



―――――――
――――



『……ちゃん…浩ちゃん…』




玄関の方から、真紀子さんが俺を呼ぶ…



俺は見つからないように…



何事もなかったかの様に、真紀子さんの元へ向かった。

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