静かな涙【完】
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「すいません…すいません…すいません…
こんな事になってしまって…」



俺は、病室の冷たいコンクリートの床に土下座していた…



何度も何度も頭を下げた…



『か…帰ってくれませんか…?』




真紀子さんの冷たい声が俺の心に突き刺さる…



「すいません…真紀子さんの身体をこんな風にしてしまったのは…
僕の責任です…」




『いいから…帰って下さい!!』



真紀子さんは俺の顔なんて全く見てくれなくて…



「また…来ます…真紀子さんが
僕とちゃんと向きあってくれるまで…」



と言ってその日は、病室を出たんだ…


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