静かな涙【完】
私と浩司のボートがぶつかって、



ゴンッ―――――



と鈍い音がした…。




「…よいこらせっと…」



私のボートが大きく揺れる…




浩司が私のボートに乗り移ったんだ…



「かして」



そう言って、浩司はゆっくりと私のボートを漕ぎ出した。



すかさず、私も浩司の隣に座る…




ボートを漕ぐ、浩司が格好良く見えて…



何も言わず、私を助けてくれる浩司の優しさに触れて…



私は、嬉しさと、愛しさで浩司の腕に絡み付いたんだ…




「こらこら…漕ぎにくいって」



『へへへ…』



アハハ…―――――




アハハ……――――――




『浩司大好きっ』




…―――――――
……――――
< 70 / 248 >

この作品をシェア

pagetop