静かな涙【完】
『…ちゃん…浩ちゃん…』



「……ん…あ…何?」



真紀子さんが俺の顔を覗き込む。



『ありがとうね。私…こんな風になってから…
こうやってボートに乗れるとか…思っても見なかった』



「アハハ…お安い御用で。」



『ふふっ…』




真紀子さんの笑顔は…



時々、錯覚させられる…



真弓と一緒に居る様な気がして…




笑った時に出る笑窪もそっくりだ…




でも…




やっぱり…




真弓じゃない…




俺は、真紀子さんが余所見している間に振り返った…




真弓の方へ…
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