静かな涙【完】
『…ねぇ…私、前がいい…』
お姉ちゃんはすがる様な目付きで、浩司さんを見つめる。
「……真紀子さん…」
浩司さんは困った様に微笑んでいる…。
普通なら、助手席に座るなんて当たり前の事なのに…
それでも…
心の何処かには、浩司さんの隣にいたいと思っている自分がいて…
「……解った…でも危ないから気を着けるんだよ」
その言葉でズキンと私の心が悲鳴を挙げる…
浩司さんはお姉ちゃんに微笑みながら、手を差し出した。
お姉ちゃんも嬉しそうに頷く…
前にも…
浩司さんと付き合っている時に、浩司さんの女友達が、
浩司さんのバイクの後ろに乗りたいとせがんだ事があった…
でも、浩司さんは、
「ここは、真弓の席だから駄目~」
と笑いながら断ったんだ。
私は正直ヤキモチを妬いてしまったけれど、
浩司さんの言葉がどれだけ嬉しかったか…
でも…
もう今はあの時の私達ではないんだ…
私は後ろの席から車のドアをパタンと閉めた。
お姉ちゃんはすがる様な目付きで、浩司さんを見つめる。
「……真紀子さん…」
浩司さんは困った様に微笑んでいる…。
普通なら、助手席に座るなんて当たり前の事なのに…
それでも…
心の何処かには、浩司さんの隣にいたいと思っている自分がいて…
「……解った…でも危ないから気を着けるんだよ」
その言葉でズキンと私の心が悲鳴を挙げる…
浩司さんはお姉ちゃんに微笑みながら、手を差し出した。
お姉ちゃんも嬉しそうに頷く…
前にも…
浩司さんと付き合っている時に、浩司さんの女友達が、
浩司さんのバイクの後ろに乗りたいとせがんだ事があった…
でも、浩司さんは、
「ここは、真弓の席だから駄目~」
と笑いながら断ったんだ。
私は正直ヤキモチを妬いてしまったけれど、
浩司さんの言葉がどれだけ嬉しかったか…
でも…
もう今はあの時の私達ではないんだ…
私は後ろの席から車のドアをパタンと閉めた。