椿山亜季人の苦難日記
「やっぱりおまえは、子供…」



「子供なんかじゃない!!」


彼の顔がほんの少し、曇った。


「私、ちゃんと覚悟してた!!あなたを好きになって、想いを伝えて、どうなるかぐらい分かってた!!


責任負う覚悟も出来ないほど、私は子供じゃない!!」


「日和…」


「先生だけ、全部背負うなんてずるいっ…」


知ってるもの。


近寄り難くっても、ホントはすごく生徒想いなこと…、

教師って職業、大事にしてたこと…、



「ずるい…」


それを奪った私に、なんの償いもさせないで、


「そんなのずるっ…」




言葉は、彼の唇で、遮られた。



あたたかで、このまま、


止まってしまえばいいと思えた…。


< 104 / 169 >

この作品をシェア

pagetop