椿山亜季人の苦難日記
非力男の我が儘(p107-
屋上は心地いい。
強い風に吹き飛ばされそうにはなるけどさ、
春の風は気持よくて、
夏は日陰のコンクリートがひんやりとして、
秋は焼けるような空に温かさを感じて、
冬は、誰も知らないだろうね。
どの季節よりも鮮明に見える、ずっと遠くの風景に想いを篤くするんだ。
ずっと独りで、ずっと静かなこの場所は、俺のお気に入り。
小学校も、中学校も、ずっと独り。
…いや、別に俺が寂しい男ってわけじゃないよ?
ずっと、煩わしいものが嫌いだっただけ。
例えば、ほら、あのうるっさい泣き虫チビすけとか、
不器用な口悪い暴力ものだとか、
おとなしすぎの薄幸少女とかね。
多分、自分から関わるのが面倒だっただけかな~。
強い風に吹き飛ばされそうにはなるけどさ、
春の風は気持よくて、
夏は日陰のコンクリートがひんやりとして、
秋は焼けるような空に温かさを感じて、
冬は、誰も知らないだろうね。
どの季節よりも鮮明に見える、ずっと遠くの風景に想いを篤くするんだ。
ずっと独りで、ずっと静かなこの場所は、俺のお気に入り。
小学校も、中学校も、ずっと独り。
…いや、別に俺が寂しい男ってわけじゃないよ?
ずっと、煩わしいものが嫌いだっただけ。
例えば、ほら、あのうるっさい泣き虫チビすけとか、
不器用な口悪い暴力ものだとか、
おとなしすぎの薄幸少女とかね。
多分、自分から関わるのが面倒だっただけかな~。