椿山亜季人の苦難日記
誰かが泣くとこって、できれば見たくない。


そう思わない?



苦しさで潰れてしまいそうな、そんな背中見たら、独りになんてできないわな。









高校3年、春。


今日も、屋上には彼女がいた。



眼下に広がる、優しい色の桜に背を向けて、灰色のビルを黙々と描いている。



こういう行動をとるヤツは、大抵病んでいる。



どうせフラレて、また何か悩みでもできたのだろう。


…反応といい、本当に分かりやすいなぁ。



笑い事じゃないんだけど、ちょっと楽しくなる。





いいことあるといいねぇ?千歌ちゃん。

< 113 / 169 >

この作品をシェア

pagetop