椿山亜季人の苦難日記



夏になろうとしていた。



受験勉強もレベルアップ。

あぁ、先生の気合いとテンションがね。

10代男子には、もっと大事なことがある。


「第一回っっ、城跡高校vs柏木女子っっ、カフェ・バンガの戦い~恋のかけひき編~を提案します!!!」

出会い!まず出会いがなければ!!

屋上で叫んだ俺に冷たーいアキさんの視線。

「やれば?」

えっ、一言?

「来てよぉ!この百人力男前ぇぇ!!」

アキさんは、細身長身、顔可愛くて、黒髪サラッサラ。普通にモテる。

「ヤダっ、面倒くさっ」

眉間に皺寄せて逃げようとするアキさんを捕まえる。

「アキさんだって彼女いないじゃん!ほしくないのー!?」

「ちっ、千歌ちゃ…助けて…」

あせって助けを求めるアキさんに、スケッチをしていた千歌が、見かねて口を開いた。

「ヤケになってるヤツはまともな女に出会わない!騙されて、絞りとられて、捨てられるのがオチっ!」

ニヤッとしながら。

わっ、笑えないんですけど…。

青い顔で固まった。



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