椿山亜季人の苦難日記
矛盾の真実(p135-
「この調子で行けば、第一志望も大丈夫だろう。椿山なら、そつなくこなすし、本番もミスなんてしそうにないしな。
もう少し目標をあげてもいいと思うぞ。」
そんなこと、ペラペラと、担任が話す。この人は面白いことを言うもんだな、と。
ミスなんてものじゃない、失態も、行き詰まりだってするのに。
夏休みだというのに、学校には、ほぼ毎日来ていた。
課題なら、大方終わったし、借りていた本を読みあさって、
それから亮介をからかって、千歌のツッコミきいて、日和ちゃんに癒されて、
俺は、そんな毎日に満足していた。
それでも、少しずつ、先行きがあやしくなっていきそうな、妙なざわつきを感じてはいた。
日和ちゃんが壊れてしまわなければいい、
あいつらが傷つかなければいい…。
涼しくなった夕方に、秋の気配を感じていた。
暑い夕方、わずかに紫色に染まる空を見上げて、思った。
『時が、進まなければいいのに。』
流れには、逆らえないってことぐらい、知っているけど。
もう少し目標をあげてもいいと思うぞ。」
そんなこと、ペラペラと、担任が話す。この人は面白いことを言うもんだな、と。
ミスなんてものじゃない、失態も、行き詰まりだってするのに。
夏休みだというのに、学校には、ほぼ毎日来ていた。
課題なら、大方終わったし、借りていた本を読みあさって、
それから亮介をからかって、千歌のツッコミきいて、日和ちゃんに癒されて、
俺は、そんな毎日に満足していた。
それでも、少しずつ、先行きがあやしくなっていきそうな、妙なざわつきを感じてはいた。
日和ちゃんが壊れてしまわなければいい、
あいつらが傷つかなければいい…。
涼しくなった夕方に、秋の気配を感じていた。
暑い夕方、わずかに紫色に染まる空を見上げて、思った。
『時が、進まなければいいのに。』
流れには、逆らえないってことぐらい、知っているけど。