椿山亜季人の苦難日記
日和ちゃんが校長室によばれた日以来、千歌とは話をしていなかった。


「…ついてこないでよ。」

不機嫌さをそのまま表したような足音をさせて歩く、蟹股女…。

「うん、やだ。」

おちょくってるつもりはないんだけど、さっきより更に怒ってしまったようだ。

このまま行くと、ドアでも壊しそうだな。

「…いつも、屋上にいるとそんな足音がして、千歌ちゃんと亮介が怒鳴り込んでくるんだ。
何があった、腹が立った、納得いかない、ってさ。」


千歌が、足を止めた。

「いつも愚痴でもなんでも聞いてきたんだ。これからもそうだ。」


正直に言おう。頼ってもらえないのは、少し寂しかった。

一人で戦う強さは好きだけど、


「一人で考えてもダメなら、いつだって一緒に考えるよ。」

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