椿山亜季人の苦難日記

「アキさんには、もしかして必要じゃないのかなぁ、なんて感じたりするよ?」

「…チビ介は、いらない。」



「ええええ!!!うそー!!!」

うそ、か。

地面を、上履きで擦ってみた。

とても頑丈な、それ。の

『たかが、同じじべた上…』か。


「あのさぁ、アキさんは、よく分かってると思うけど、千歌はひねくれてるから、
本当に必要なら、正直にぶつかんないと、手、掴んでくれないよ。」

ドアのほうへ歩きだしながら、亮介が言った。

「特に、あんな言い方じゃなぁー。」と分かった風に。

振り返って、ニヤッと笑う。


「俺は、“また”アキさんのところに行くから!」



そして、ちっちゃな男は、階段を下りていった。



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