椿山亜季人の苦難日記
「ほんと、バカだな、俺は…。」


手放す苦しみに、ずっと、耐えかねていたんじゃないか…。


手摺に寄りかかっていた体を起こして、日和ちゃんに向き直った。

「ありがとう、助かったよ。」

笑いかけると、彼女も笑った。


「いっぱい助けてもらったから、お礼だよ。」



さぁ、と背中を押され、走りだした。




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