椿山亜季人の苦難日記
終章:交換日記(p166-)
高校3年、3月1日―。


「さっすが島田先生!俺、許可取れるとは思わなかったよー!」


後輩から貰った花と、卒業証書をもって、伸びをする亮介。

「私も。屋上のこんな広い壁にだなんてね。」


声の明るい日和。


「卒業生代表の日和ちゃんにゃ、頭が上がらないのだろうねぇ。」

ゆるく笑む亜季人。


「まぁ、粋なプレゼントだよ。」

壁一面に、せっせと色を重ねる千歌。



描いているのは、『空』。

 

卒業式のその日、この屋上に、何かを残したいと言い出したのは、亮介だった。




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