椿山亜季人の苦難日記
「ほら!3人ともハケとペンキ持って!」
『え?』
薄い青のペンキを持っていた千歌が、他3人にもハケを持たせる。
「私だけが描いたんじゃ、意味ないじゃん。」
「…千歌ちゃん、俺は美術アヒルさんだったんだけど…」
と、つぶやく亜季人に、技術は関係ない、と、千歌は一蹴した。
「きれいでなくていい。自分の好きな色を好きなように重ねて、空の色は一つじゃないから。」
千歌のその言葉に、3人はそれぞれペンキをとった。