椿山亜季人の苦難日記
登校する生徒のなかで、頭ひとつ飛び出る背の高い貴男は、

周りの眠そうなオーラの中に一人、晴々しい顔をあげて歩いてくる。



いつものように、


いつものように声をかければ…、


んっ!?


ダメだ!!

NO!いつも通りはNG!!


女の子っぽく…、




「たっ、貴男っ!」


私の声に気付いた貴男は、こちらに笑顔をむける。


「よぉっ、おっはよ!」


ポンッと、

いつものように、軽くチョップされる。


「おっはよっ…!」

顔を上げて笑うと、貴男は怪訝な表情でいた。


「…千歌、おまえやっぱり熱でもあるのか!?」

「はっ?」

貴男の目は、

マジだった。





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