椿山亜季人の苦難日記
でも、
壊れない"絆"を選べるほど、
私は、素直じゃない。
「…貴男。」
泣いたりしない。
「ん、なに?」
目を見据えて、
「私は、貴男が好きだよ。」
貴男の知らない私を、ぶつけた。
貴男が、硬直するのが分かった。
真剣な目で、続きを待っている。
「友達の『好き』とは違う、男として、貴男が好き。」
壊れてしまうとしても、自分の弱さも愚かさも貴男には知っていて欲しかったから。
かすれた低い声で、貴男は答えを口にした。
「…ごめん。」
「千歌は、一番大事な、『友達』だ。」
大事な『女の子』じゃない。
うん、
ありがとう。