椿山亜季人の苦難日記
職員室に来るのは、本日4度目。日誌取りにきたり、課題集めて持ってきたり。

職員室前の廊下は相変わらず、質問待ちの生徒で騒がしい。


「失礼します。」


「おっ、来た来た。」


入り口に近い席に見つけた吉原先生は、その整った顔を、表情ひとつ変えない。

そのそっけなさは、モテるだろうその外見を、近寄りがたいものにしている。


「あっ、あの…。」


「ああ、明日のホームルームな、担任の島田先生が会議で出れないんだ。」

「えっ。」


島田先生は、女の先生で、話しやすくて落ち着く。なのに、出れないということは…



「代わりに俺が行くから。」


…最悪だ。

こうして居るのも、怖くて目すら合わせられないのに。


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