椿山亜季人の苦難日記
翌日―


「じゃあ、明後日までに資料集めよろしくお願いします。」



生徒会会議が終わった。

よかった、次のホームルームまであと10分ある。

急いで職員室へ行こうと、席を立ったときだった。

「田崎さん、ちょっと待って。」


会長から呼びとめられてしまった。

「話がある。」

真剣な表情で、耳を赤くして立っている会長に、頷くと、部屋にはもう、私達二人だけになっていた。



「あの、田崎さん…急いでいたら申し訳ないんだけど…」


「えっ、ううん!気にしなくていいけど…。」

と、口では言いつつ、目は無意識に時計へ向いていた。会長が真剣な話をしようとしているのも、それに真剣に答えなければいけないのも、分かっていた。

けれど、あの吉原先生の顔が浮かんで、怖くて仕方がなかった。

あの先生、嫌味が激しそうだ…。

あと8分…。


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