椿山亜季人の苦難日記
ちっさい男(p7-
最初に事件を起こしたのは、ちっさい男だった。
ちっさい男は、涙目で溜め息をついた。
「ああ…マイちゃん…。
なぁ、アキさん、ヒドイよね!?身長低いとダメって何!?まず身長で決めてイイのか!?男は中身でしょ!?」
「そう思うなら、身長のこと言われたぐらいでへこんでないで、ご自慢の中身をアピールして来いよっ。」
すかさず、冷たい目の千歌が返答する。
確かに!
「冷たっ!」
「ち、千歌ぁ~!的確だけど、もっとフォロー入れなよ…。」
うん、日和ちゃんもね。
「アキさーん…」
3人の視線が俺に集まった。
面倒だけど、意見を求められているらしい。
「…まぁ、外見で判断されるのが嫌なら、もうマイちゃんはとやらはどうでもよくない?悩む必要もないだろ。勝手に次の恋したら?」
「く、クール…」
三人ともドンびき。
「身長のこと言われても、ホントに好きならしつこく諦めつかないもんさ。
それに、コンプレックスなんて、こだわってるのは案外本人だけだよ。」
そんなものじゃない?
別に、軽く考えてるわけじゃないけどさ。