椿山亜季人の苦難日記
誰もいない廊下、足は自然と、教室ではなく屋上へと向いていた。


ヴヴッと、携帯のバイブを感じて、メールを見ると、

『話があるの。屋上で待ってます。 日和』

と、あった。








屋上の扉を開けると、秋晴れの明るい空が広がる。

サボっていたのだろう。いつものようにフェンス側に座る、千歌とアキさん。

その前に、4日ぶりに見る、日和ちゃん。


少し痩せた…?

でも、思っていたよりずっと、明るく笑ってる。


「久しぶり、日和ちゃん。」

「うん、久しぶり、亮介くん。」


「じゃあ、話すね。私の秘密…。」



静かな、よくとおる声が、言葉を紡ぎだした。


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