My lover's song
フタリデ
颯太くんはステージの前を通り過ぎて
階段を下っていく。
…どこ行くんだろう?
颯太くんに聞きたかったけど
なんだか今は
この沈黙が好き
そして颯太くんに引っ張られてやってきたのは
校庭だった。
運動部が練習を行うなか
私たちは校庭の隅っこに立っていた。
立ち止まったかと思うと
真剣な表情の颯太くんと目が合う。
「先輩の返事…聞かせて下さい。」
その颯太くんのまっすぐな目に吸い込まれるように
私は口を開く。
「颯太くんのことが、好き…です。」