サクラが咲いた、雨
「何だよ…」
「ふふ、べっつに!いいこと聞いちゃっただけだし!」
「おい!」
誰と接するにも対等な彼女。
もちろん、彼にも同じだ。
…だけど、私の知らない加地君の姿に、私は衝撃を隠せないでいる。
…どうして?
…もしかして、加地君は。
「あ、始まっちゃうね。じゃあね、2人とも」
パタパタと少し急ぎながら帰っていく、梓紗。
「……加地くんって、さ」
気付けば、加地くんに声をかけていた。
「うん?」
「好きな人、いるの…?」