サクラが咲いた、雨
イメージを守る理由
あれはそう。
2年が始まって、すぐのテスト週間の時だった。
梓紗とは家は逆方向で、加地くんとはたまたま昇降口で会ったんだ。
『杉原、だよな?』
『あ…、加地くん』
あの日は雨が降っていて、2本あると思っていた折りたたみ傘が1本しかなくて、梓紗に貸してしまったということを後から気付いたために、自分の傘がなくなってしまった。
それで、なんとか雨が止まないかなと待っていたときに、加地くんが通りすがったのだ。
『何で、こんな時間までそこにいるんだ?』と聞かれ、加地くんに事情を説明すると、