サクラが咲いた、雨
そこからもずっと他愛のない話ばかりして、結局家まで送ってくれて。
でも来た道を帰っていく彼。
不思議には思っていたのだが、後から聞いた話、加地くんの家は全く逆方向だったのだ。
あの後本気で謝った。
そこからだったな。
少しずつ、少しずつ。
必要なことから、他愛のないことまで話すようになって。
本当に夢みたいで、嬉しくて。
だから、加地くんが持ってくれていた、私のイメージを崩さぬように気をつけるようになった。
好きだったの、ずっとずっと。
なのに。
あなたは、梓紗のことが好きなの?