サクラが咲いた、雨
「杉原っ」
「加地くん…」
サッカー部の練習用ユニフォームを着て、部室の中に荒々しく入ってきた加地くん。
タオルを首に巻いていて、少し肌寒くなってきた秋だというのに汗だくで。
でもそんな姿もかっこよくて。
「…っ、こんな汗だくで臭いままで言いたくなかったんだけど…」
照れくさそうに口元を手で隠して言う彼。
ああ、私は。
「……杉原、好きだ」
――――とても幸せだ。
「……っ、私も好き」
そう言った瞬間に、二人で笑いあった。
*end*