Again -もう一度恋して-
「入りなさい」
ドアを開けて入ると望月コーポレーションの社長が颯ちゃんの椅子に座っていた。
「白石真奈美君だね?」
「はい、そうです」
「君とは一度ゆっくり話しをしなくてはと思っていたんだ」
目の前の人は穏やかな笑みを口元に浮かべているのに目は冷たく射るように私を見ていた。
この人の様子からして、あまりいい話しではないと感じた。
「颯太からは、なかなか言い出せないみたいだから。
私が君に直接と思ってね。
今日は、ちょうど颯太も工場の視察に行って帰りは遅くなるそうだから、私が颯太の代わりに話させてもらうよ」