Again -もう一度恋して-
声を低めて、そう言うと驚いた顔をしていた。
「でもさぁ、そう云う関係なら何か訊いたりしてなかったの?」
「訊いてないよ。
事情があって彼とはずーっと会ってなかったし。
再会17年ぶりかな……」
「へ~、そうなんだ。17年ぶりの再会の幼なじみが新社長だなんてドラマチックだね。何かがありそうな予感。いいねそういうの……」
「何も起こらないよ」
無事でいたって解ってホッとした。
でもあの頃とは違う。もう気軽に話しかけられない。
琴美は目を輝かせて一人世界に入ってしまった。
「やっぱり課長に、お願いしてみる」
「ちょっとっ、真奈美?」
「課長、話しがあります。私は秘書なんてできません。
社長に撤回してもらえるように一緒に言ってもらえませんか」