Again -もう一度恋して-
「颯ちゃん、痛いよ」
「そんな事、許さない!!」
「颯ちゃん、放して!」
「別れるなんて認めない」
私の腕を引っ張ってマンションに向かって歩き始めた颯ちゃん。
「待ってっ!!」
颯ちゃんの足が止まった。
「颯ちゃんの隣にずっといる自信ないの。
颯ちゃんのお父さんに反対されているから、なおさら一緒には、いられないよ」
腕を掴んでいた颯ちゃんの手が緩んだ。
「何でそんな事言うんだよ?」
腕を離されて身体が自由になり彼から距離を取った。
「ごめんね」
颯ちゃんはもう何も言わなかった。