Again -もう一度恋して-
駅に向かって歩き始める。
もう颯ちゃんは追っては来なかった。
タクシーを降りて家の玄関を開けて入った。
部屋に行く途中でお母さんがリビングから出て来た。
「真奈美、遅かったじゃない」
「うん、琴美と一緒だったから」
「そう……夕ご飯は?」
「いいよ。食べてきたから」
「何かあったの?」
「何にも、ただ疲れただけ……部屋に行くから」
自分の部屋に入ってから力が抜けて、その場に座り込んだ。
「……颯ちゃん」
心が痛いよ。
さっき颯ちゃんから離れてから、ずっと痛くて苦しい。