Again -もう一度恋して-
琴美達と出かけるのは日曜日、ちょうど重ならずに良かった。
「分かった」
「それだけだから」
「待って!」
部屋から出て行こうとした斗真を呼び止めた。
「私のデートじゃないから。
友達の付き添いだから。
どうしてもって頼まれて」
「別に言い分なんて俺にする必要ないだろう。
俺は姉ちゃんの彼氏じゃないんだから」
そうだよね。
何で私はこんなに必死になってるんだろう。
「颯太さんに告げ口するとでも思ってる?
もし言った所で颯太さんは気にしないと思うけど」
「そんな事分かっているよ。
でも本当に琴美に付き合うだけでデートする相手なんていないもの。
だって私はまだ颯ちゃんの事……」