Again -もう一度恋して-
「先輩、あれに乗りませんか?」
「え~、あれ足で漕ぐのじゃん。
面倒なんだけど……」
琴美は後輩君に引っ張られながらボート乗り場に行ってしまった。
「俺達は散歩でもする?」
「あっ、はい」
「ヒロの事だけどあまり悪く思わないでやって。
悩んでいた真奈美ちゃんが心配であんな行動に出ちゃったようだから。
まぁ、やり過ぎだったと思うけど悪気はなかったはずだから」
「過ぎた事なんでもういいです」
「真奈美ちゃん、ありがとう」
歩きながら話していると琴美と後輩君の漕いでいるボートが近くを通った。
琴美が手を振り私も振り返すとボートはまた離れて行った。