Again -もう一度恋して-
「ちょっと、放してよ!!
帰るんだから……」
「真奈美、落ち着きなさい」
黙って斗真と私のやり取りを見ていた、お父さんに強い口調で言われて動きを止めた。
「斗真の言う通りに颯太くんが、これからどうするのか見てなさい」
斗真に掴まれたまま出て行く事も出来ない私の耳に今度は颯ちゃんの声が聞こえて来た。
「―――これから、僕の婚約者を紹介します……」
これから颯ちゃんは槇田かすみさんか私の知らない別の女の人を、ここに居る人達に紹介するんだ。
この場に居たくなんかなかった。