Again -もう一度恋して-
颯ちゃんが婚約者と並んで居るところなんて見たくなくて、下を向いたまま俯いていた。
「真奈美……」
颯ちゃんに呼ばれた気がした。
そんな事は、あるはずない。
そのまま、俯いていた。
でも……。
「真奈美」
今度は、はっきりと近くで聞こえた。
半信半疑で顔を上げると、直ぐ近くに颯ちゃんが立っていた。
颯ちゃん……。
なんで、ここに立って居るの……?
颯ちゃんは私に手を差し出した。
訳が分からず、じっと颯ちゃんの差し出した手を見ていた。
「姉ちゃん、何やってんだよ。早く行けよ」