Again -もう一度恋して-
斗真に言われても身体が固まったように動けずに差し出された手を取らない私の手に颯ちゃんの手が重なった。
ギュッと握られたまま引っ張られて立ち上がった。
スポットライトが当たった私と颯ちゃんに皆の視線が集中した。
彼は、まだ今の状況を把握していない私の手をしっかりと握りながら、さっきまで立っていた場所に向かって歩きだす。
その先には望月コーポレーションの社長がいて、こちらを睨むように見ている。
躊躇して私が足を止めると。
「大丈夫。
もう、邪魔はさせない」
そう言って更に握る手に力が加わった。