Again -もう一度恋して-


私達は別れたんじゃないの?


「颯ちゃん、私達は別れたんだよね?私がここに居るのはおかしいよ」


「真奈美と別れたつもりは、ないけど」


「でも……あの時」

「これから真奈美を皆に紹介する。
だから暫く黙っててくれ」



駄目だよ。そう言いかけた私を無視して颯ちゃんは、私を婚約者として紹介した。



別れたつもりがないなら、どうして何も言ってくれなかったの?


どうして次の日に急に専務の秘書に変えたの?
疑問だらけで訊きたい事が幾つもある。


でも……今は訊く事は出来そうもない。


パーティーが終わって皆を見送るまで、ずっと私の手を握っている颯ちゃんに従って話せる時を待つしかなかった。


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