Again -もう一度恋して-
「うん、後で呑みに行った時に話す」
「白石先輩、酷いです!」
泣きそうな顔でやって来たのは、後輩で総務課の高橋朱里。
「朱里……?」
「私、ずっと社長のファンだったんですから……。
白石先輩が秘書課に移動した時だって羨ましくて―――先輩はずるいんです」
「ずるい……?」
「そうじゃないですか。
最初は興味ないような顔してたくせに秘書課に行った途端、玉の輿を狙って社長の目にとまるように迫ったんでしょっ?」
朱里のあまりに酷い言い方に唖然として返す言葉が見付からなかった。
迫るなんて、そんな事してないよ。
「ちょっと朱里、言い過ぎ!
謝りなよ。
真奈美は、そんなんじゃないんだから」
「だって、そうじゃなければ先輩が社長となんて……」