Again -もう一度恋して-



「真奈美ありがとう」


「えっ、何で?」


何でありがとうなのか分からなくて聞き返した。


「お母さんに会ってくれて。
俺、今までずっと会うのを避けてたんだ」


「どうして?」


「お母さんには自分が子供を産んだという記憶がないんだ。
さっきも言ったけど俺を慎一さんだって思ってる。最初はお父さんのフリをしていたんだけど。
それがだんだん辛くなってってあの部屋にも入れなくなった。だけど今日、何年かぶりに部屋に入れた。
真奈美がいてくれたからだ。
久しぶりにお母さんの顔を見て話せた」


「颯ちゃん、また一緒におばさんに会いに行ってもいい?」

「真奈美……」



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