空の下の約束
少し早めに着いた星野は駅の中を探した。


広くない駅は見渡せば大体は分かる。


なのに美空の姿がなかった。


外は雨が降りだし、車を降りて5分も経っていないのに大粒の雨と雷が轟いていた。


「美空…まさか…」


駅から外を見渡しても大粒の雨で視界がハッキリしない。


傘を持っていればいいが…


星野は車に戻り傘を片手に探し始めた。






駅まで持たなかったなぁ。


「ハア…ハア…」


早めに歩いたつもりが、私の足より雨の方が早かった。


後少しだと思うんだけど…


大粒の雨のせいで目もあけていられない。


体は雨に濡れてワンピースがまとわりつく。


星野先生…着いたかなぁ…怒られちゃうなぁ…


足もフラフラだし、息も絶え絶えになってきた。


後少し、後少し…だから。


視界が歪み空が見えた。


バタン!
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