空の下の約束

海からは電車とバスで一時間の場所に自宅がある。


土曜の14時、と言うこともありそこそこに乗客はいた。


ボォーとしていた為かあっと言う間に帰宅…した気分。


さっそくお風呂に入って支度を始めた。


鏡を見つめながら濃いめの化粧をする。


髪型は盛髪…じゃなくて、いつもの腰まであるストレートの髪を下ろしてセット。


地味な感じだけど、キャバクラの中ではかなり目立っていた。


皆が盛大に派手にしてくるから。


それでも私はお客さんに評判はいい。


クローゼットを開けてビッシリ掛けてある中からドレスを選ぶ。


今日が最後の出勤だ。


最後の日に着ると決めてたドレスを手にとって見た。黒のマーメイドのロングドレス。


肩紐にV字に適度に開いてる胸元。


今日は鈴原総合病院の医者が二次会でくるとか言ってた。貸切で…


ドレスも丁度いい。


「最後のお客さんが医者なんていいかもね」


１人笑っていた。


それにしてもさすがは医者だ。


いくら経営が大変な時代でも医者は医者。


あるんだよ、お金が…


支度をさっさとして部屋を出た。